「できている自分」に気づく大切さ

とても繊細で、自分に自信がなく、劣等感が深い人の特徴として、「自分のできていないところ」に焦点を当てる、ということがあります。どんな人でも、必ず「できていること」はあります。でも、上記の人は、「自分はできない人」というフィルターを通して、自分のことを見るので、「私にはできていることなんて、何にもない」と信じています。また、「できないことをできるようにすること」を人生の目的とし、そうしないと、自分は人並みになれない、と深く信じています。「できないことをできるようにする」には時間がかかります。また、得手不得手もあるので、すべてができるようになるわけではありません。そして、「すぐにできるようになることは重要でない」という考えも根付いているので、できるのに努力を要するようなことに、固執してしまうのです。そのため、劣等感はますます深くなり、「自分は本当にダメなんだ」とさらに落ち込むのです。

 

この劣等感に立ち向かう(?)方法の1つは、「自分のできていることを羅列する」ことです。一見、簡単そうに思えますが、今まで「できていないこと」にしか目を向けていなかった人にとっては、結構、難しい作業といえます。そもそも基準が高いので、ちょっとやそっとの「できていること」は書くに値しない、とも思っています。なので、ハードルをぐーんと下げることが必要です。どのくらい下げるかというと、赤ちゃんを思い浮かべてください!赤ちゃんはちょっと笑っただけで、寝返りを打っただけで、いえいえ、息をして、寝ているだけで、みんな、大喜びです。赤ちゃんが存在していること対して、「いてくれてありがとう」とほめます。「ふざけている?」と思われるかもしれませんが、これくらいハードルを下げるイメージです。これくらいハードルを下げて、初めて、劣等感の深い人は「自分ができていること」に目がいきます。

 

羅列する、と書きましたが、初めのうちは「1日1個」を目安に、探して書いてみて下さい。

そして、同時にしてほしいのは、書いたものをまるで愛読書のように読む、記憶するくらいまで何度も何度も読むこと。「できていないこと」に焦点を当てることが習慣化しているので、つい、「これもできていない」「あれもできていない」と考える時間が多くあります。少しでも「できている」自分を思い出すためには、書いたものを何度も読んで、「私にもできることはたくさんある!」という考えを根付かせることが必要になります。

続けていくと、「できることを探す」ことが楽しみになってきます。そうなったら、しめたもの!「自分のできていること」の中に、本当の”自分”が眠っています。