心理カウンセラーの八納慧果(やのうさとか)です。
まずは、「自分の居場所を作る(1)」をご覧ください。
思い返すと、私には家以外に自分の居場所がありました。
小学校時代。
小学校の先生を退職された女性(橋川のおばちゃんって呼んでました)が、
家の一部を開放して(昔でいう寺子屋のような感じ)、
勉強を教えてくれました。
私は橋川のおばちゃんが大好きで、
家に帰るとすぐに宿題の道具を持って通っていました。
まずは国語の教科書の黙読をして、
次に宿題をして、
最後に先取り勉強、
という流れが決まっていて、
自分のペースで学べるのもとても心地よかったです。
橋川のおばちゃんはご自身の経験から、
勉強でつまづきやすい箇所を中心に
先取り勉強で教えてくれました。
例えば、100−1、1000−1の位が変わる繰り下がり引き算、
mm、cm、mなどの関係、
時計の読み方、
国語のテストの答え方
(「どう思います?」との問いには「〜と思う」と答えるなど)など。
勉強だけでなく、おやつも楽しみでした。
ある時、私しかいなくて、おばちゃん自身もとてもお腹が空いていたのだと
思いますが、「美味しいもの食べようか?」と言って、
インスタントラーメンを作ってくれました。
私の母は食べ物に関して厳しくて、インスタントラーメンはめったに
食べさせてくれなかったので、すっごく嬉しかったです。
こっそり食べるラーメンの味は格別でした。
今でもあの光景はよく覚えています。
帰るときは、いつもおばちゃんは私が見えなくなるまで手を振ってくれて、
すごく守られているという安心感がありました。
理由は忘れましたが、おばちゃんと言い合いのケンカをして、
プリプリしながら帰ったこともあります。
私は外の世界では「いい子」で過ごしていたので、
喧嘩できるくらい心を許していたのだと思います。
(続く)