算数が苦手な子供さん。毎日の宿題にも一苦労します。
小学1年生の宿題で、足し算と引き算の計算カードがあります。(「5+2」「8-3」などのカードがリングでとめり、裏面に答えが書いてある)自分でカードをめくって計算し、裏面を見て答え合せをします。それぞれ50枚以上あり、算数に苦手意識があったそのお子さんは、明らかにツマラナそうにやっていました。
お母さんはずっとそばについて対応されていたそうなのですが、ある日、ちょっと席を立った時に、カードの枚数をごまかそうとしていることが分かり、その対策を考えました。
算数が苦手な子どもにとっては、数字だけで考えるのは難しいので、「図」を取り入れることが大切です。例えば、「5+2」なら、「◯◯◯◯◯」と◯を5個書き、隣りに「◯◯」と2個書いて、視覚的に理解できるようにします。指を使うのも、視覚情報なので、いい方法です。これで、計算自体の間違えはかなり減りました。
でも、やはり、ツマラナイ宿題には変わりはないようだったので、何か方法はないか、と考えたところ、そのお子さんは「かるた」が大好きであることがわかりました。「かるた」形式で、次のような方法にすることを決めました。
1. カルタの要領で机に並べてやる。(縦7枚、横8枚ずつ、計56枚。最初は枚数を少なくして、段々増やす)
2.お子さんがカードを1枚ずつ取り、答えを言う。
3.裏返して、答え合わせをする。
4.裏返したカードはリングにはめる。
「かるた」の形式では、すべてのカードが目に見え、答えたら1枚ずつ減っていくので、お子さんも達成感を感じたとようで、自発的に取り組むようになったそうです。しかし、口頭で答える方法だとずっとお母さんがそばについて監視しないといけないので、その点の改良が必要だと感じました。これを改善するために、以下の方法に変えました。
1.上と同じ。
2.ノートに答えを書く。お子さん本人が答え合わせをして正解なら赤丸し、不正解なら訂正する。
この方法に慣れるまでは、1列終わるごとにお母さんがきちんとできているかチェックしましたが、お子さんはすぐに方法に慣れたので、本人に任せることにしました。
「宿題をやった」ということが、ノートに目に見える形であらわれるので、大変な達成感を感じるようで、お子さん本人がノートに花丸をしたり、「やったね!!!」などと感想を書いたりしたそうです。また、「やる気」がある状態からスタートするので、正解率もUPし、計算する速度もどんどん上がっていったそうです。
口頭で計算することが苦手なお子さんにとって、目に見える形に変えることの必要性を実感した取り組みだと思います。