「私ばかり我慢してる?」と思ったとき、試してほしい“見方のスイッチ”

「人間関係をよくしたい」と思って、相手に優しい言葉をかけたり、態度を変えたりしても、すぐに変化が起きるとは限りません。むしろ、「あれ?何も変わらないじゃない…」と虚しさを感じることもあるでしょう。

長年の関係性に悩み、いろいろ試した結果、何も変わらない事実に、「もう無理なのかな」「私ばかり頑張っている気がする」と心が疲れてしまっている方もいるでしょう。

たとえば、夫との関係。「最近あの人、いつも不機嫌で話しかけにくい」「こっちは気を遣ってるのに、まったく伝わらない」——そんな思いを抱えていませんか?

もちろん、相手が変わってくれたら一番楽です。
でも、人はコントロールできません

だからこそ、関係性を変えたいと願うなら、“自分の見方”を少し変えてみることが、大きな突破口になることがあります。

たとえば、夫がいつも無愛想な場合。
「どうしてこんなに冷たいの?」と責めたくなる気持ちは自然です。
でも、もしかしたら彼は職場で強いプレッシャーにさらされ、心に余裕がないのかもしれません。

実際、ある女性(50代)はこう話してくれました。

「夫が無言で帰ってきて、食事中も一言も話さない。最初は腹が立ちました。でもある日、思い切って“仕事、大変なの?”と聞いたら、“最近、部下のことで悩んでて…”とぽつり。初めて夫の苦しさに気づきました。」

このように、「私ばかり我慢している」と思っていた状況が、「相手にも事情があるかもしれない」と見方を変えるだけで、心の距離が少し縮まることがあります。

もちろん、すべてを我慢する必要はありません。
でも、「相手に変わってほしい」と願う前に、「見方を変える」ことで、自分がとる行動が変わり、その行動が新しい反応を引き出す可能性があるのです。

人間関係は、相手を責める気持ちが強いと、どうしても行き詰まりやすくなります。
「被害者の立場」から一歩出て、「私はどう捉えたい?」と自分に問いかけてみると、少しずつ関係に風が通り始めるのです。