朝、目が覚めて、窓の外を見た。
空は一面グレー。雲が低く垂れこめている。
なんだか視界が悪くて、頭が重い…。
「イヤだな…。今日1日、なんだかやる気が出ないかも」。
こう感じたことはありませんか?
天気が悪い日には、気圧や湿度の影響で、体がだるく感じたり、頭痛がしたり、気分が落ち込みやすくなります。
これは自然な生理現象で、誰にでも起こりうること。
でも、問題はここから。
「天気が悪いせいで、気分がすぐれなくて当然」と思っても、気分の重さはそのまま。かといって、「そんなことは気のせいだ!元気にいこう!」とポジティブに言い聞かせすぎると、それがかえってプレッシャーになり、自分を責める気持ちが強くなってしまいます。
結果、何もできずに自己嫌悪が募る──そんな悪循環に陥りやすいのです。
特に 完璧主義・責任感が強い女性ほどこの傾向が強く見られます。
「今日も色々やらなきゃ。でも、全然やる気が出ない…。自分ってダメだな」。
実は、この感情の揺れが一番心を疲弊させる原因になります。
そこで、心理カウンセラーとしておすすめしたいのが、「行動から感情を整える」というアプローチです。
気分が落ちている時に、いきなり気持ちだけを変えようとしても難しい。
だから、まず「視覚」から働きかけてみましょう。
私がよく勧めているのが、「大好きな場所の写真」を用意しておくことです。
たとえば、こんな海の写真。
太陽がキラキラ降り注いで、白い雲がぽっかり浮かび、どこまでも澄んだ青い海が広がっている──そんな風景。
眺めるだけで、心がふっと緩みます。
スマホのフォルダーにお気に入りの1枚を入れておいて、気分がどんよりした朝にそっと開いて見てみてください。
そして、その写真を見ながら、ゆっくり深呼吸を3回だけ。
自然に目線が上がり、頭にかかっていた霧のような重さが、少しずつ晴れていくのがわかります。
「ちょっとマシかも」。
たったそれだけでも、脳がポジティブな方向に切り替わる小さなきっかけになります。
ここがポイント。
「ちょっとマシ」な感覚を軽視しないでください。
この「ちょっと」の積み重ねが、やがて1日のリズムを整える大きな土台になっていきます。
完璧じゃなくていい。
「今日は少し上向けたな」と感じるだけで十分です。
ぜひ、あなたも お気に入りの場所の写真を今すぐ1枚、スマホやPCに用意してみてください。
そして、曇り空の朝や、なんとなく気分が乗らない日には、小さな心のスイッチとして活用してみてくださいね。