決めたことを続けるコツは、とてもシンプルです。
「できた!」が目に見えること。そして、小さなごほうびが用意されていること。
この二つがあるだけで、人はぐっと動きやすくなります。
たとえば朝のジョギング。走れた日はカレンダーに丸をつける。丸が10こたまったら、お気に入りのカフェで一杯。20こでランチ。「見える化」と「ごほうび」のセットです。
子どもにも有効です!
ピアノの練習表をつくり、ひと回弾けたらシールを一枚。10まいでえんぴつ、20まいでけしゴム…と決めておく。「物でつるみたいでイヤ」とためらう方もいます。けれど私たち大人だって、たとえば一日よく動いて家の用事をやりきった日に、帰り道で好きなカフェでに立ちよること、ありますよね。だれかの「ありがとう」の一言も立派なごほうびです。ごほうびがあるから、ふつうの毎日を続けられるのです。
実際、この方法をはじめたご家庭では二つの変化が出ました。
一つ目は、親が「練習しなさい!」と言わなくても、子どもが表を見て自分から手を動かすようになったこと。「今日は花まるつけられるかな?」の一言で、すっとピアノに向かうようになりました。
二つ目は、子ども自ら宿題用の表も作り、帰宅後のリズムが整ったこと。親は「よくやったね」と短くほめるだけで、空気がやわらかくなりました。
コツは三つです。
① 表はよく見える場所に貼る。達成が“目に入る”だけでやる気は続きます。
② ごほうびは小さく軽く。お金をかけず、好きなフルーツを一切れ多めに、いつもより5分だけYouTube視聴を伸ばすなどでOK。
③ たまに一緒に見直す。「あと3回で好きなお菓子だね」と声をそえると、ラストスパートがかかります。
「物を買い与えるのはちょっと…」という不安もわかります。だからこそ、物だけにしないこと。言葉のねぎらい、ハグ、散歩デーなど、心が休まるごほうびをまぜましょう。怒って動かすより、楽しみで動けた方が、関係はずっとあたたかくなります。親も子も、自分で選んで動けた実感がつみあがり、「続けられる自分」が育っていきます。
小さく始めて、小さくほめる。
その積み重ねが、やる気を“今日も”つないでくれます。