何度も思い出して自分を傷つけていませんか?心がラクになるネガティブとの距離感

人は、いいことも、よくないことも、同じ割合で体験しています。
ところが「私の人生はいやなことばかり」「どうせまたうまくいかない」と感じやすい人は、ネガティブな出来事だけを強く覚えておくクセがついていることが多いんです。

ネガティブに考えること自体が悪いわけではありません!!
「こうなったら困るな」と想像することで、失敗を防げることもたくさんあります。
準備をしたり、用心したりするために、ネガティブな想像が役に立つ場面もあります。

気をつけたいのは、「過去のいやな出来事を何度も思い出すこと」です。
思い出すたびに、その時の「感情」まで一緒によみがえってきます。
これを何回もくり返していると、心の中でその出来事の大きさが、実際よりどんどん大きくなっていきます。

たとえば、ママ友とのランチ会で、何気ない一言を言われたとします。
「〇〇ちゃんって、ちょっと抜けてるところが可愛いよね」と笑いながら言われた。
みんなも一緒に笑った。
その場では「ちょっと恥ずかしいな」くらいの感覚だったのに、家に帰ってから何度もその場面を思い出す。
お風呂に入っているときも、寝る前も、「あのとき、みんなにバカにされていたのかも」と考えてしまう。
そうすると、元々は「少し恥ずかしいだけの出来事」が、心の中で「ものすごく傷ついた出来事」に育ってしまうのです。

別の場面でも起こります。
たとえば、夫から「また通販で買ったの?」と言われたとき。
その時は「ちょっとイヤな言い方だな」くらいだったのに、あとから何度も思い出しているうちに、「私は家計を無駄にしているダメな人」「私の買い物は全部責められている」と意味づけが大きくなっていきます。
元の言葉以上に、心の中で話がふくらんでしまうのです。

実は、過去のつらい言葉を思い出すとき、私たちはその出来事を「ただ再生している」のではありません
何度もくり返すうちに、「私は笑われる人」「私は大切にされない人」といった、自分に対するイメージを強めてしまっています。
この「くり返し」が、ネガティブな感情をどんどん強くしていくのです。

では、どうしたらいいのでしょうか?
ポイントは、「思い出す回数を減らす」と「思い出した自分を責めないこと」です。

ふとイヤな場面が頭に浮かんだら、
「あ、今またあのシーンを思い出して、自分で自分を苦しめているな」と気づくだけでも、ブレーキになります。
そこでさらに「なんでいつまでも気にしてるの、私ってダメ」と自分を責めてしまうと、ネガティブが二重になります。

思い出してしまったときは、深呼吸して、心の中でこう言ってみてください。
「確かにあのときはイヤだった。でも、あれは“ちょっとイヤだった出来事”であって、今の私を全部決めるものじゃない」
そして、意識的に別のことをする。
お茶を入れる、
外の空気を吸う、
好きな音楽をかける、
体を少し動かす
だけでも、気持ちのチャンネルは切り替わりやすくなります。

ネガティブな感情をなくす必要はありません。
大事なのは、それを「育てないこと」です。

過去の出来事をくり返し再生して、自分の中で大きくしすぎないこと。
それだけでも、心の重さはずいぶん変わっていきます。

あなたの中にある優しさや強さが、ネガティブな記憶に押しつぶされないように、「思い出し方」と「付き合い方」を少しずつ変えていことはとても大切です。