「ネガティブ思考はよくない」「ネガティブなことは考えない方がいい」との意見は根強いものがあります。なので、ネガティブな考えが浮かぶと、「考えないようにしよう」とします。もしかすると、一瞬、ネガティブなことを考えなくなるかもしれませんが、この「考えないようにしよう」と思うことが、逆にネガティブ思考にフォーカスすることになってしまうのです。「逃げる相手ほど追いたくなる」心理が働くと言われますが、まさにそれが起きます。ネガティブにフォーカスしすぎないためには、これまでの認識を変える必要があります。
まず、「ネガティブ思考はよくない」との考え。優秀なビジネスパーソンは「最悪の状態を想定して、対策を練る」と言います。実際に行動する際には「ネガティブ」な考えは、対策を組むときの大事な考えの1つになるのです。この観点から見ると、ネガティブが最悪でないことが明確になり、「ネガティブはダメ」という根拠のない考えを打ち破ることができます。
ネガティブ思考に陥り安人の頭の中でよく起こるのが、次の例です。有酸素運動が体に良いことを知り、週に2回ほど、ジョギングする計画を立てたとします。しかし、心の声が次のように言います。「そんなこと、できるわけないじゃん!」この声を回避しようとしますが、逃げ回ると、ネガティブな声が追いかけてきます。「あの時もできなかったじゃん!」「次も同じようにできないよ」「これからもきっとできないね」「できないなんて、最低だね」結果、ネガティブな声に心をへし折られます。
こんな時、どうしたらよいのでしょうか?
1つの方法として、この「ネガティブな声」と「私」で会話します。(声に出す、まは、紙に書くことで効果があります)この時、「私」はひたすら、ネガティブな声を受け入れます。次のような感じです。
ネガティブな声(以下”ネガ”):「できるわけないじゃん!」
私:「そうよね〜。そういう考えもあるよね」
ネガ:「でしょ?やっぱりできないよ」
私:「そうよね〜。」
ネガ:「前回のハイキングするって決めた時も、うまくいかなかったでしょ?だから、今回もできないよ」
私:「最悪のストーリーだとそうなる可能性もあるかもね。その考えを教えてくれてありがとう」
ネガ:「・・・・」
この時点で、ネガティブな声はストップします。なぜでしょうか?
自分の考えを伝えるとき、相手に否定されると、何とか相手にわかって欲しくて言葉を重ねます。理論をこねくり回して、意固地になります。でも、「そうねえー」と受け入れられると、反論する必要がなくなるので、先程のように、会話は自然に終わります。
そして、次に、「ジョギングをできるようにする方法」を冷静に考え始めます。例えば、「確かに運動は得意ではないから、無理しないようにしよう。前回のハイキングが続かなかったのは、距離が長かかったから。今回は、まずは5分から始めよう」など、と具体的な考えに至るのです。
ネガティブ思想に飲み込まれると、冷静に考えること、具体案を示す前に、「やっぱり無理」と諦めてします。
ネガティブと健全に付き合う方法、一旦受け止めて、冷静になる。これは1つの方法です。