夕日のキレイさに気づいた日

以前、勤めていた職場の話。南側に窓がズラーっと並んでいたのですが、1日中、カーテンを閉めていました。日中は日差しが強くて、パソコン画面への反射を避けるため、夕方から夜にかけては、特に冬は冷気が入って来るためでした。
そんなある日、窓の1枚分だけカーテンが空いていて、そこから綺麗な夕日の光が入ってきていました。その時、周りの席に誰も座っていなくて、しばらく目をつぶって、夕日を浴びていました。ポカポカ。ポカポカ。体がエネルギーチャージするのを感じて、思わず声に出してました。「キレイ」
ちょうど隣りの席の方が戻ってこられて、私のつぶやきを聞かれたようで、「ほんと、綺麗ですね。最近、忙しくて、夕日見る余裕ってなかったなあ」とおっしゃいました。同感でした。仕事に没頭するあまり、余裕がなくて、太陽や月、植物に全く気をかけていませんでした。
あれから、15年。夕焼けを見るたびに、その時の自分を思い出します。娘が生まれ、子育てにいっぱいいっぱいになっていたときも、夕日のキレイさを忘れていました。ある日、ふと見上げた空いっぱいに夕焼けの美しさが広がってるのに気づき、まだ言葉もわからない娘に「キレイね〜」と言いました。その日以来、夕日を見るたびに、ずっと言い続けました。すると、話せるようになった娘は、夕日がキレイなことを教えてくれます。
夕日は私が私に戻ることに気づかせてくれる、大切な存在です。