子供に「◯◯してもいい?」と声かけする大切さ

いきなりですが、質問です。「我が子が椅子の上にかばんを置いている。その椅子を別のことで使うことになったので、かばんを動かしたい。お子さんはあなたのすぐそばにいます。その時、どうしますか?」

これからお話する対応は、 娘が通っていた幼稚園の先生から教わったことです。私なら、かばんを別の場所に動かします(勝手に)、または、娘に「かばんをそっちに動かして」と言います。

 

この光景は、幼稚園で実際にありました。参観の途中で、子供たちのカバンを移動することが必要になったのです。そして、なんと、幼稚園の先生は、ひとりひとりの子供たちに次のように確認をとりました。「◯◯ちゃん、ここを使うので、かばんをそちらに動かしてもいい?」

そのほかのすべてのシチュエーションでそうでした。子供たちが座っている位置を変えるとき。机の配置を変えるとき。朝の会や帰りの会が始まるので、席について欲しいとき。先生は「△△だから、◯◯してもらえますか?」と、必ずそれをする理由とともに、許可を取られました。

後で理由を聞きすると、子供は繊細だから、いきなり、かばんの位置が変わっていたら、それだけでパニックになる子もいるし、どうしてかばんを動かすのか、理由はわからないと嫌なこともいる、とのこと。それまで、このような配慮をしていなかった私には、目からウロコの対応でした。

 

 

大人の私は、自分の持ち物を勝手に動かされたら嫌ですし、命令されるのも嫌です。そして、相手が大人なら、勝手に荷物を動かしたりもしないし、命令口調にもならない。それなのに、自分の子供だとその配慮が抜けていた。そのことに気づいて、愕然としました。「◯◯してもらってもいい?」の表現は、子供への敬意にあふれています。