心理カウンセラーの八納慧果(やのうさとか)です。
子育てがうまくいかない理由を、「私が子育てが下手だから」「私がうまく伝えられないから」「私の愛情が足りないから」「私の母性が足りないから」と「私のせいだ」と自分を責めるお母さんはたくさんいます。
まず、「自分に愛情や母性が足りない」と考えているお母さんは、お子さんへの愛情や母性はたっぷりで、あふれています。もし、本当に愛情や母性が足りないのなら、そもそも「愛情」「母性」という言葉すら出てこないからです。
もちろん、気質的に子育てが苦手なお母さんもいれば、子育て法が上手でないお母さんもいますが、それは正しい子育て法を知れば、できます。
問題はここではなく、全く違う理由で、子供が常にイライラして、集中力がなくて、親や先生の言うことが聞けなくて、それを「自分のせいだ」と考えているお母さんがいる、ということです。
その1つが、過敏症。
五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)は優れている場合、優れ過ぎていて、普通ではほとんど意識しないことに、過敏に反応してしまうことがあります。
例えば、下着。実際、子供の中には、下着のゴムの食い込み(足の付け根)にいやな思いをするお子さんがいます。すると、日中、そのお子さんの意識は「パンツのゴム」に行きます。そのため、集中力を欠き、パンツのゴムを体の気にならない位置にずらそうとして常に動いてしまい、血流が良くなると、ゴムのあたりに痒みを感じて、強い力で掻いてしまい、それがストレスとなって、さらに集中できずに、イライラすることもあります。
もちろん、お母さんはそのことに気づいて、2サイズ大きいパンツやオーガニックコットンのものを購入したり、洗剤も自然系にして手洗いするなど、対策は取られていたようですが、ほんのちょっとのゴムの圧迫がお子さんにとっては気になるようで、困られていました。
”marru”(マアル)という下着を扱っている会社があります。その会社では、「子パンツ」という、ふんどしタイプで、足の付け根のあたりには全くゴムを使用していないパンツを売っています。お母さんは、ふんどしの形に「履いてくれるかなあ?」と思いながらも購入したところ、お子さんはこの子パンツを履いた瞬間にたいへん気に入り、以後、パンツへの不満が一切なくなったのです。そして、常に動いたり、イライラすることもなくなり、集中して物事に釣り組めるようになったとのことでした。
「今までちょっと子供に注意すると、反抗的になって、伝え方がすごく難しいと思っていました。伝え方を変えるなどしていたのですが、本当に難しくて、私もイライラするし、正直、どうしていいものかと思っていました。まさか、パンツがこんなに影響を与えていたなんて、思いもしませんでした」とお母さん。
「子育て、うまくいかない。私の何が悪いんだろう?」も必要です。
でも、お母さん自身が原因ではない場合もたくさんある。
こんなことかも知れません。