「意見を言う自分」に変わったJさん 20200521

 
 
 
心理カウンセラーの八納慧果(やのうさとか)です。
 
 
「自分の意見をなかなか言うことができない」Jさん(女性)。
 
  
そんなJさんは、会社のあるチームのリーダーを任されることになりました。仕事ぶりは真面目で人望もあり、納得の人選。ただ、意見を求められると、頭が真っ白になって、黙り込んでしまうことが多かったそうです。
 
 
ですが、話を聞くと、Jさんは考えがないわけではなく、
 
 
・自分の意見は大したことないので、違う意見を言っても、採用してもらえない
・多くの人が選ぶ意見の方が、良い意見のはず
・自分が反対意見を言うことで、コミュティーの輪を崩れる
 
 
との思っていて、意見を口に出すことが怖かったようでした。
 
 
「自分の意見を言うのは、なんだか怖い。けど、言わなくちゃいけないし、言いたいとの気持ちもできてきている。けど、やはり無理かも、、、」
 
それまでは、「私、優柔不断だから!」と笑っていたHさんも、自分の意見を声に出す必要性を実感し始めました。
 
 
また、今までに自分の意見を言わずに後悔したことも多々あり、今の「自分の意見を言わない自分」でいることには、はっきりと「NO!」との答えを出されたので、次のように取り組むことになりました。
 
 
ーーー
 
Jさんは職場でも、プライベートでも、自分の意見を言えない状況でした。そこでJさんにとって、取り組みやすい方を選んでもらいました。苦手なことに挑戦するのは、勇気がいります。少しでも精神的に楽な場面の方が設定しやすいからです。ちなみに、Jさんの答えは「職場」でした。
 
 
気持ち的に「自分の意見を言う」と決めても、本場ではうまくいかない場合が多いのは、「ぶっつけ本番」で対応しようとすることが原因の1つです。
 
 
そこで、
 
・職場でのミーティングの様子を想像する
・全体意見はAに傾きつつあるが、JさんはB意見の方がよいと思っている
 
などの設定を決めて、
 
・口火を切る言い方(実際のセリフ)を考える
・設定を想像しながら、実際に声を出して言ってみる
・言った後の気持ちの変化を知る
 
を実践してもらいました。
 
ーーー
 
それからほどなくして、実際に先のようなシチュエーションが起こり、Jさんは初めてご自分の意見(反対意見)を口にしました。そして、Jさんの意見が採用されたそうです。「本当に言ってよかったです!」と誇らしそうに話してくれたJさんの表情は輝いていて、とても印象に残っています。
 
 
職場での体験で自信を持ったJさんは、「プライベートでも、人とのコミュニケーションを変えたい」と、とても前向きに取り組もうとされています。