「反芻」はしてしまうもの。そして、脱する方法を知っていればいい 20201007

 
 
心理カウンセラーの八納慧果(やのうさとか)です。
 
 
過去の「穴があったら恥ずかしいできごと」が、ふと、頭をよぎることがあります。
 
「どうして、あんなこと言ってしまったんだろう?」
「今、思い出しても、恥ずかしくて震えてしまう」
「記憶から消したい」
「その事実そのものを、無かったことにしたい」
「一緒にいた人はあの時どう思ったんだろう?今でも覚えているかな?」
 
過去のできごとは、起こった事実を変えることはできないので、記憶から消すこともできないし、無かったことにもできないし、一緒にいた人に今更聞くこともできない(そもそも、一緒にいた人は覚えていない可能性の方が高いし、、)
 
過去のできごとは、すごく詳細に覚えています–その場の情景や食べたり飲んだりしたもの、自分と相手が発した詳細なセリフ、他にも、電球がチカチカしてた、なども覚えています。
 
そして、過去のできごとを思い出すと、「そのできごとそのもの」だけでなく、その時に感じた「感情」も同時に思い出します。例えば、怒り、悲しみ、悔しさ、恨み、恥ずかしさ、妬み、衝撃、驚愕など、一般的に「ネガティブ」と言われる感情も思い出します。そして、実際には、ずっと昔に起きたことなのに、まるで今、起こっているかのように「新鮮」にそれらの感情を改めて、感じます。
 
これを「反芻(はんすう)」と言います。
 
ーーー 
 
反芻を繰り返していくと、その「穴があったら恥ずかしいできごと」は一度しか体験していないのに、思い出した回数分、実際に体験したかのような錯覚に陥ります。
 
そして、その時に感じた感情も、どんどん強くなります。
 
例えば、私は「なんであんなこと言ったんだろう?」と自分の発言を後悔することが多い。その時に感じた「あんなことを言って恥ずかしい」という感情には、「あんなことを言った私はダメなやつだ→あんなことを言う私は嫌いだ」という感情がくっついているので、反芻するたびに、「私は私が嫌い」という思いも強くなります。
 
結果、どんどん「自分を嫌い」という思いが強くなり、日常のちょっとしたできごとから、「私って本当にダメだ、嫌い」と思うようになります。
 
ーーー
 
では、この反芻は止められるか?
 
答えは、100%止めることは難しいです。
 
反芻をする人の多くは、真面目で完璧主義なので、「反芻を100%止める」ことを目標にしようとするのですが、そこを目指すとキツい。
 
なので、反芻していたら、「私、反芻してるな」と口に出す。
今の状態に気づく。それだけでも、反芻を止めるきっかけになります。
 
そして、あとは「実況中継法」を行います。
他にも、サプリの摂取、有酸素運動、糖質をあまり取らない、などの対策もあります。
 
ーーー
 
「反芻してもいい」
「反芻しても、実況中継法で止められるから」
 
脱する方法を知っていれば、人は冷静になれるな、と思います。