まじめで、完璧主義の人は、物事を成し遂げるのに、一気に、全力疾走で、やり遂げようとします。もちろん、物事を突き進めるには、一気に取りかかる方がいい時もあります。ですが、今までに経験がないことや苦手なことは、一気に進めることは難しいものです。経験がないことは、文字通り初めてのことなので、進め方、ペース配分など、わからないことだらけ。また、取り組むこと自体にストレスを感じることも多く、一気にやるのは、かなりのエネルギーを消耗します。
ただ、まじめで完璧主義の人は、「ほどほど」が苦手な方が多いのです。「ほどほど=努力を怠っている」との図式があるので、ほどほどではなく、全力疾走で取り組むのです。だから、どんなことでも、経験があろうがなかろうが、好きであろうが苦手であろうが、同じ”一気”のペースで進めていこうとします。
ですが、経験がないこと、苦手なことには、つまづきやすいものです。普通なら、「初めてのことだから、うまくいかなくても当たり前」という考えに至るのですが、まじめな人は、「自分の力が足りない」という結論に達し、自分バッシングを始めます。このような状態になると、当然、やる気は無くなり、ペースも落ちます。ですが、ペースが落ちると、なかなか達成できないので、ますます自分を責める、という負のスパイラルに入ってしまいます。そして、極端な時には、「完璧にできないのなら、しない方がよい」との極論に達し、やめてしまうのです。こういうことが続くと、できることさえもしなくなってしまうのです。
なので、まじめで完璧主義の人には、「スモールステップ」という考え方を取り入れる必要があります。”ちょっとずつ””少しずつ””短い時間で”。これは一見、歩みは遅いように感じるかもしれませんが、この方が結果として続くし、「千里の道も一歩から」ということわざにあるように、コツコツと積み重ねることで、大きな成果に到達するのです。コツコツ、は元来、まじめで完璧主義な人が得意なこと。「スモールステップで物事を進めるというやり方は、結果的には、大きくジャンプした状態と同じ」という考えを取り込むことがとても大切です。